事業再構築補助金の代理申請問題について
第10回公募の申請案件について、アクセス解析の結果、 特定の認定支援機関(大阪府)の支援先において代理申請が疑われる申請が確認されました。 該当する申請は公募要領違反として、審査対象外としております。
と事務局より発表があり、それ以降第11回の申請でも、代理申請が疑われる方々に直接連絡があり、代理申請でないならそれを証明する証憑類を提出するようにとの指示がある等混乱を招いております。以下この問題について私なりに考察を行ってみました。
もくじ
1. 代理申請が不正アクセスとされる背景
代理申請は、不正アクセス防止法によって禁止されています。この法律は、個人情報の漏洩や不正な金銭の取得を防ぐために制定されました。代理申請が行われた場合、最大で懲役または罰金が科される可能性があります。
公募要領に不正サクセスという言葉が使われておりますので、今回の事務局の動きの根拠法となっているのは、補助金適正化法と不正アクセス禁止法ではないかと推察します。
2. PC操作に不慣れな方の現状
PC操作に不慣れな方が多く、特に高齢者層ではこの傾向が顕著です。このような方々は、代理申請を頼むしかない状況にあります。しかし、その結果として不正アクセスのリスクが高まる可能性があります。
実際に私が申請をサポートした84歳の経営者の方は、GbizIDプライムを使ったログインがその後のワンタイムパスワードがどこに送られてきて、どれがそれにあたるのかも直ぐには分からず、「どれですか?と何度も問い合わせの連絡が来て、その間にワンタイムパスワードの有効期限が切れて、結局ログインするだけに1時間以上かかったこともありました」
3. 代理申請に対する費用と依頼者の期待
申請にかかる費用は、一般的に数十万円からとされています。この費用を払っている依頼者からすれば、代理申請まで含めてサービスを提供してほしいという期待が高まります。
まあ簡単にいうと「結構な金額をサポート料として払うんだから、めんどくさいからそれぐらい手伝ってよ」と言うことだと思います。
4. 行政書士資格の有無と法的制限
私自身は行政書士資格者ではないため、法律上元々代理申請はできません。依頼も一切受けていません。この点を明確にして、依頼者に対して正確な情報提供と説明責任を果たしています。代行・代理申請できる資格がないからといって、依頼者のニーズに応えられないわけではありません。事業計画の策定や資料作成のサポートなど、代理申請以外の部分でしっかりとサポートすることが可能です。
文句を言われたことも無いですが、そのために申請用の下書きをかなり丁寧に作成してお渡しする必要はあり、正直自分で入力した方が早いのになぁと思ったことは何度もありますが、公募要領の該当ページをお送りして説明して納得して頂いております。
そのため、入力時はTELが何度もかかってきたりすることもあり、いつ入力作業をやるか聞いて、なるべく電話に直ぐ出られるようにしたりしています。
5. 中小企業庁のコメントとその意味
中小企業庁技術・経営革新課は、「同じ端末から複数の申請が出されている場合に疑義が生じる可能性がある」とコメントしています。これは、申請の透明性と正確性を確保するための方針であり、不正アクセスを防ぐための一環でしょう。このコメントは、申請者が自分自身で申請する重要性を改めて強調しているものであり、代理申請による不正を防ぐための公的な見解と言えます。
6. 代理申請の疑義についての詳細
自宅や支援機関の事務所など、自社以外の場所からの申請や複数の場所での作業は問題ないとされています。しかし、同じ端末から複数の申請が出された場合は、代理申請の疑いが生じる可能性があります。このような状況で連絡が入っているものと思います。特に支援機関が所有するパソコンや共有パソコンでの申請は、事業者自身がそのPCから申請したとしてもアウトでしょう。
7. 代理申請の判断基準と技術的側面
以上のコメントから推察するに、さすがにMACアドレスは入手していないと思いますが、IPアドレスだけでなく、ユーザーエージェントやCookieを組み合わせて、不正な申請を特定している可能性が高いです。これは、単一の指標よりも複数の指標を用いることで、より高度な分析と判断が可能になるからです。
と言うことは、疑われないためには・・・・。以下略。
8. 結論と対策
代理申請は法的にも技術的にも厳格に管理されています。しかし、PC操作に不慣れな方や費用を払っている依頼者のニーズも考慮する必要があります。そのため、申請者自身がしっかりとルールを理解し、適切な方法で申請を行うことが重要です。
極端に言えば、①事業計画書の作成を丸投げしても、電子申請を自分でやればOKで、事業計画書を自分で頑張って書いてもPCが苦手で入力だけ頼むとNGってことになりかねず、問題の本質はそこじゃない気もしますが、申請前に十分な情報収集と準備を行い、必要な場合は専門の支援機関にちゃんと相談して申請することでしょうか。