補助金申請は赤字でもできるの?債務超過の場合は?
結論から言うとどちらも申請自体は可能ですが、採択されるかと言うと
1期・2期程度の赤字は事業計画次第でまず大丈夫でしょうが、債務超過はかなり厳しいと思います。
もくじ
赤字だけど、大丈夫かな?
補助金申請サポートをやっていると結構赤字企業からご相談を受けます。
正直なところ、赤字じゃない方がもちろん良いですが、
1期~2期位の赤字は別に問題ないと思います。
特に事業再構築補助金は売上減少要件がありますので、赤字の企業も普通に申請して採択されてます。
だけど債務超過企業は、スタート時点でかなりつらいですね。
貸借対照表で秒殺
債務超過は、特に決算書見ると一瞬で、こりゃお金借りられないだろうなと分かりますからね。
貸借対照表いわゆるB/S見た瞬間に、数秒でこりゃまずいぞと思います。
しかも初回ヒアリング時はまだ申請サポートの依頼を頂けるかどうは分かっていないことがほとんどで、財務諸表を見せて頂ける段階に無かったりしますので、あとから見て「あちゃー」と思う事も多々あります。
B/Sの左側のいわゆる借方、現金・預金と勘定科目ありますよね、ここが少ない企業
どれくらい少ないかと言うと、月商の倍も無い。
売上あがっても通常現金化されるまでに数か月かかりますよね、その間に家賃や社員の給料とかも出ていくわけで、それに耐えるだけの最低限の現金もないと、いくら売り上げが上がっていても、先に会社倒れちゃいますから。
まさしく、勘定合って銭足らず。
良く財務指標で流動比率とか当座比率と言われる短期の資金力を見る数値は最低100%を超えていること,150%以上が望ましいとか書いてありますが。
流動比率は日本の上場企業では130~150%が標準で、製造業平均は170%位です。
1年以内に返さなきゃならない借金を超える資産があるかどうか、この比率が120%なら1年以内に返すお金の1.2倍の資産を持っている。200%なら2年分はあるということです。
当座比率の方は、一般的に120%超が望ましく、 100%以下で低くなるほど要注意です。 80%以下になると借金過剰でリスクが大きく取引先としては注意すべき会社といえます。
銀行貸してくれないと思いますけど。
ヒアリング時にも「事業資金は建替えとなりますが、大丈夫ですか?」
と尋ねると
大概、「銀行融資で」とおっしゃるんですが、銀行これ以上貸してくれないですよね。
銀行も貸して回収するのが仕事なので、どんどん貸したいんですよ、本当は。
返せる会社にならね。
補助金採択されたら金融機関も国のお墨付きで回収不可能とは思わないし、補助金分くらいは貸してくれるだろと思ってるんでしょうけど、世の中そんなに甘くない。
まだコロナ融資があって資金がジャブジャブだった時ならまだしも、これまで貸したお金も返せて無いし、今のままの状況が続いたら、これまでの借金返済だけで数十年かかる計算になるし。金融機関の格付け、要注意先や破綻懸念先ですよね。
と、どんなに素晴らしい未来を事業計画書で提案しても、過去は変えられないですからね。
審査員も一瞬で見抜きます。ほんとに数秒です。
厳しい方なら他見る前に、「どんなに良いこと書いてあっても、無理でしょ」とそこでジ・エンドとなる可能性も高いです。
補助金で一発逆転狙うなんて考えなのかもしれませんが、補助金に係わらず、大概の新規事業は失敗するわけですから、本業の立て直しをまずは優先して下さい。
じゃあ実際、債務超過でも採択される?
私がお手伝いした中でも債務超過企業で採択されている企業もありますし、事業計画自体は良く考えられているのに、数回出しても、なかなか採択されない企業もあります。
正直採択されない方が良いんじゃないかと思うんですよね。
採択されても会社に現金無いし、銀行これ以上貸してくれないので、補助金辞退しますと。
で、そこで補助金申請サポート料も払えません。といわれると、
「そりゃそうだろうけど、最初に説明しましたよね」 以下略・・・・・・。
補助金の前に経営改善計画を作るという選択肢
その為に経営改善計画を作るところからお手伝いはできるんですが、なかなかそういう流れにはならないですね。
そもそもお金ないので、急いでいるんでしょうね。
会社建て直して、それから攻めの補助金活用とはならないですね。
事業再構築補助金は、元々新型コロナで業績が悪化している企業を助けようという趣旨もありますから、短期の赤字は別に問題となることは無いと思いますが、債務超過となると
1期、2期の赤字位ではそこまで成らないですからね。
コロナの影響だけじゃ無いですよね、明らかに事業に問題がある場合がほとんどです。
補助金活用して新規事業を手掛ける前に本業を見直して
業務改善計画を考え無いと、そもそも金融機関も融資に応じてくれないですよね。
経営改善計画策定支援事業(405事業)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/05.html
経営改善計画の策定にかかる費用の2/3を補助してくれる、通称405事業と言うのものがありますので、まずはこちらを利用して、財務体制を整えてから、別の補助金へ応募する方が審査委員へのイメージも確実に良いですし、真剣さも伝わるので
本当は近道だと思います。
まとめ
まとめ
- 1期・2期の赤字は問題なし(ただし理由による)
- 債務超過でも採択されることはあるが、長い目でお勧めしない。
- 債務超過なら405事業の活用を経由して補助金申請する。